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一人・・・ベットに座り部屋の中を見渡す


けして広いわけではないが清潔で居心地のいい部屋


この部屋で数ヶ月過ごしてきた・・・・そしてこれからも・・・・


大丈夫、後悔なんかしない


だって・・・どうせ忘れてしまうから・・・・・・


今までの記憶と一緒・・・・すべて・・・きっと・・・・


忘れてしまう・・・・・


ジョウの事も・・・・・今の変な気分も・・・


苦しくなんかない・・・悲しくなんかない・・・・


どうせ忘れてしまうから・・・・




だけど・・・・どうしてだろう・・・・



何の思い出のないはずなのに


名前を呼ぶと胸が苦しくなる・・・


「・・・・ジョウ」






一睡もできないまま・・・静かに夜が明ける


夕方にはジョウが、この星を旅発つ


・・・・・・・別れの朝が来る・・・・・・・



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その日の夕食は・・・・いつもと同じはずなのに


どこかぎこちなく、何か言いたい事を皆が言えないでいる・・・そんな感じだった


見ず知らずの私を・・・・温かく迎え入れてくれた人達


この人達を置いて・・・私は・・・・ジョウと行くべきなんだろうか?


私が行ってしまったら・・・・お婆さんは?お爺さんは?


答えの出ない思いが私の心をしめつける


「ごちそうさま・・・・
 ごめんなさいお婆さん
 今日はちょっと疲れちゃったの
 部屋で休んでもいいかしら?」


そんな私の言葉に


「いいから、ゆっくりと休みなさい」


と優しい笑顔で言ってくれた・・・・





その笑顔を見たとき・・・・私はこの人達を置いて行けない


そんな思いが強くなった


このまま・・・・ここに留まろう


だってココは私の居場所だから・・・・・


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どれだけの時間・・・そうしていたんだろう


ポンッと肩を叩かれ


周りがかなり暗くなっていた事に気が付いた


「いつまでも帰ってこないから心配した」


ずっと座り込んだままの私にトムが優しく微笑む


だけど・・・その笑顔が今まで私がみていた


あの明るい笑顔ではなく、どこか悲しげで寂しげだった


「あっ・・・・・ごめんなさい
 あの・・・私」


「・・・かった・・・・」


「えっ?」


私を見てトムが何か言ったけど


良く聞こえなかった・・・聞き返そうとするのを遮るように


いつものトムの口調で話し出す。


「腹減っただろ?婆さんが食事に支度してまってるぜ
 俺もハラペコなんだ!夕食食べていけって言われて
 待ってたのにリデ・・・じゃないアルフィンか
 アルフィンが全然帰ってこないだろ
 あんまり腹がへったから迎えに来たんだ」


そう言いながら私の手をひき歩きだすトムの手は


わずかに震えていた・・・・・声とのギャップに


なんだか・・・自分でも言い表せない感情が渦巻きはじめる



ゴメンね・・・・・トムの事まで苦しめてるんだね私


私のせいで周りの皆が苦しむのね



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真剣に私を見つめる瞳


そっと私の手をとり・・・・幼い子供に言い聞かせるように


ゆっくりと優しく囁く


この言葉を信じれば楽になれる


不安や寂しさから逃れられる


そんな思いに心が揺らぐ


グルグルと思いは巡り同じ事を繰り返す


そんな時・・・・自分の手にポタッと何かが落ちた


ふっと見ると・・・・・雨?


ジョウに握られている私の手の甲に小さな雫


ゆっくりと・・・・上を見上げると頬を伝う


それで自分が泣いてる事に気づいた


SAIAI 涙の瞬間

ジョウの手を離し・・・ゆっくりと自分の手を見る


その間もとめどなく涙は流れ


その涙は・・・・私の中の何かを流す


そんな私を何も言わずに静かに見守っていたジョウが


ゆっくりと名前を呼んだ


「アルフィン・・」


私を呼ぶ貴方を私は・・・・知らない


なのに知らないはずの貴方が私を呼ぶ声に心は震える


どうすればいい?


答えが見つからないまま時間は流れ


私の迷いは、ただ深くなる


どうしていいか分からずにただ涙する私にジョウが静かに告げた


「ごめん・・・・苦しめて
 だけど・・・本当に時間がないんだ
 俺は・・・今日・・・このままホテルに帰る

 そして・・・明日・・・・夕方6時の便に乗り
 この星を出る

 もし・・・俺と・・・・来てくれるなら
 少しでも俺に望みがあるなら」

と・・・私に小さな鞄を渡すと「待ってる」とだけ


言って彼は・・・・ジョウは行ってしまった
SAIAI どうすればいい


私の手の中に残された小さな鞄


その中には・・・・明日の定期船のチケットが1枚と


真っ赤なクラッシュジャケットが入っていた。



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「えっ?」


「俺と一緒に来てほしい
 これから先の未来を俺と一緒に歩んでほしい
 君が・・・・・・君に記憶が必要なら
 俺が君の記憶になる
 どんな些細な事でも
 どんな苦しみもどんな喜びも
 どんな悲しみもすべて君と共有して生きていきたい」


そこまで言うと彼は、じっと私を見詰めた


彼が私の記憶になる?


何を言ってるの?彼は・・・・・


そんな事できるわけが・・・・ないじゃない


どんな些細な事でもって・・・・そんなの


無理に決まってるじゃない


なのに・・・・・どうしてだろう・・・・


その言葉を信じたい自分が居る


無理だ!と決め付ける自分の中に


彼を信じたいと叫ぶ自分が居る


彼と共に生きていきたい。と叫ぶ自分が居る


今日、初めて話をしたはずの彼に


縋りたいと心が叫ぶ


「う・・・そ・・よ
 そんな事・・・・信じられない
 だって・・・・だって・・・・
 今日・・・初めてあったのに」


「初めてなんかじゃない」


「だって・・・だって・・・・
 そんな事・・・言って・・・・
 私を・・騙そうと・・・したって・・・」


「騙そうとなんて考えてない
 一番最初に言ったはずだ
 アルフィン、君を心から愛してるって
 俺から君という幸せを奪わないでくれとも言ったはずだ
 その言葉に嘘偽りはない
 もし忘れたって言うんなら何度でも言おう
 俺は君を・・・・
 アルフィンを愛してる」


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「なぁ・・・・本当にどこか調子が悪いのか?
 それとも・・・・・俺のせいか?」


覗き込むような仕草でジョウが私を伺う


本当に彼が私を思っているのが分かる・・・・


だけど・・・この生まれたばかりの感情を持て余している私には


どうすればいいのか分からない


嬉しい気持ちと嫉妬・・・それに不安・・・そんなものに押しつぶされそうな気分になって


逃げ出したくなってきた。


「なぁ!おい・・・本当にどうしたんだ?」


いつまでも返事をしない私に、とうとう痺れをきらし


強引に私の思考を中断させる


「ごめん・・・な・・・さい」


小さく答える私に・・・彼が慌てて訂正する


「いや・・・俺こそゴメン
 急に君が黙り込むから心配になって・・・
 そうだよな・・いきなり君の記憶の中に存在しない
 俺が現れて色々言ったら・・・・混乱するよな
 すまない。」


あぁ・・・・・彼は黙り込んだ私を自分のせいだと思ったんだ


そんな風に思いながら、ぼんやりと彼の顔を眺める


「だけど・・・すまない
 時間が・・・時間がないんだ
 俺は・・・明日には・・・この星を発たないとならない
 次はいつになるか・・・いや・・・・きっと・・
 今回でここに来るのは最後になると思う
 だから・・・・どうしても・・・・君にすべてを話し
 そして・・・・俺と・・・」


そこまで言ってジョウは、ちょっと言葉を止めて


何かを決心するように静かに私の目を見つめ


聞いた事のないような真剣な瞳をした


「俺と・・・一緒に・・・」

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いつまで続くか分からないけど・・・・頑張ります





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