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目の前にアルフィンが居る


その喜びに思わず手を伸ばす


その瞬間、アルフィンは体をビクッと震わせ


逃げ出そうと踵を返す・・・その腕を掴み引き寄せる


「待て!待ってくれ!
 頼む・・・・行かないでくれ
 話を・・・・俺に話しをさせてくれ」


SAIAI  やっと会えた


俺の腕の中でかすかに震えるアルフィンに


わずかな期待と戸惑い・・・・


「お・・・お願い・・・その手を離して」


「逃げないで話を聞いてくれるか?」


俺の問いにアルフィンは小さくコクリと頷く


それを確認してから、ゆっくりと腕の力を抜き


アルフィンの体を俺の方に向かせて


その瞳を覗き込む


愛しい蒼い瞳・・・・だが今は俺を映すことの無い瞳


もう一度・・・俺を見つめて欲しい


いや・・見つめさせてみせる

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その日は一睡も眠る事ができなかった・・・


今まで、仕事でどんな状況に陥ろうと


必要に応じて体を休めるということを当たり前としていたのに


今はそれができない・・・・・眠るのが怖い


もしかしたらトムがアルフィンにあの場所に行く事を伝えなかったら?


もし来たとしてもすべてを拒絶されたら?


・・・・・俺という存在を否定されたら?


ぐるぐるとそんな事ばかり頭の中に浮かんで


自分を制御できない・・・・情けない


こんなに自分が情けない人間だとは知らなかった


そんな気持ちのまま夜は明けて


約束に時間はやってきた


・・・・・喉が渇く・・・・


手が震える・・・・怖い・・・・


このまま・・・アルフィンが・・・来なかったら・・・俺はすべてを無くすのか?


自分が物凄く、ちっぽけな存在に感じる


俺は静かに目を閉じて・・・・待った



風の音しか聞こえない・・・そんな中で



草を踏み歩く音と


懐かしい気配を感じ俺は静かに目を開けた


そこには前と変わらぬ姿でアルフィンが立っていた


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俺の言葉をじっと目を閉じて聞いているトムが何を考えてるのかは分からない


それでも・・・・俺は今までのすべて話した


事故の事、障害の事・・・そしてプロポーズした事も


これから先・・・一生一緒に居たいと思うのはアルフィンだけだという事を


全部話し終わって・・どれだけの時間が流れたんだろう・・・


きっと数分の事なんだろうが


俺には物凄く長い時間のような気がした


今まで目を閉じてじっと俺の話を聞いていたトムが


ふと目を開けると俺を・・・まるで何かを探るような目で


見つめ・・・そして・・・


「分かった・・・・
 明日、10時頃にここに来い
 なんとかしてアルフィンをここによこす
 そこでちゃんと話をしてみればいい」


それだけを言うとトムは帰っていった


明日・・・アルフィンに会える


やっと話ができる・・・・・それだけで心がざわつく


俺に残された日数はあと3日


明日で何事か進展しなければ


この星から再び俺の腕の中にアルフィンを取り戻すのは


難しいだろうと思う。


すべての記憶がなく俺の事を好きでもないアルフィン


それでも絶対にあきらめたりしない明日、俺は何かを変える



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「高次脳機能障害?
 なんだそれは?」


トムが聞きなれない言葉に困惑しているのが分かった


そりゃ・・・そうだろう普通、こんな言葉を聞く事などないだろうから・・


「それに事故って・・・・そんな凄い事故にあってたのか・・・」


「彼女は・・・仕事中の事故で脳を損傷したんだ・・
 その後遺症で記憶の維持が難しいんだ
 それに普段できていた事ができなくなったり・・・
 普通の記憶喪失とは、あきらかに様子が違っていたはずだ」



「仕事中の事故って・・・・脳に損傷って・・
 そんな凄い事故にあうような仕事を彼女がしてたって言うのか?
 あのアルフィンが?信じられない
 まさかクラッシャーでもしてたって言うのか?」


半笑いのような奇妙な顔でトムは俺の話を聞いている


「そうだ、彼女は・・・アルフィンはクラッシャーだ」


「はっ、馬鹿な事を
 どうやったらアルフィンみたいな華奢な女の子が
 クラッシャーみたいな荒仕事をできるって言うんだ?
 適当な事を言ってごまかす気なのか?」


俺の言っている事を理解したくないと感じているんだろう


素直に受け止める事を拒否しているのは明らかだった


それでも俺はトムにすべてを理解してもらい


アルフィンへの・・・・・アルフィンをこの手に取り戻す足がかりを


無くすわけにはいかない



「誤魔化してなんかいない
 これは事実だ!そして・・・・俺の言う事をちゃんと聞いて理解して欲しい
 俺たちには・・・・嫌、俺には彼女が必要なんだ
 彼女は俺たちの大切なチームメイトで
 俺の人生で一番大切な女性なんだ」
 
 

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「命や表情を持たない人形・・・・」


俺はトムの言葉に・・・・驚きを隠せなかった・・


ただ・・・トムの言った言葉を繰り返す

SAIAI 告げられた真実

そして、その事実を真剣に受け止めようとしていた。


「すぐに俺はアルフィンをこの近くの知り合いの家に・・
 このまえ、あんた達がやってきた店の婆さんの家だ
 そこに運んだ・・・それで近くの医者に来てもらったんだが
 ココはあんたが見ても分かるように、病院なんてもんはシティまで行かないとない
 爺さんの医者がやってる診療所があるだけだ
 その爺さんも医者とは言ってもそんな立派なもんじゃない
 医療器具だってたいしたもんがあるわけじゃない
 いくら、緊急事態だと言っても、すぐに後悔したんだ
 無理をしてでもシティまで連れていくべきだった・・・て」


「どういうことだ?」


「俺がアルフィンを発見した時には
 ・・・かなりの高熱で肺炎になっていたんだ
 でもそれがわかってもここでは対処療法しかできない
 実際・・・・何度も、もうダメだって思った」


「なんで・・・・すぐにシティの病院に運ばなかったんだ」


思わずトムの胸倉を掴む


その手を払いのけるようにしながら俺を睨め付け


「できるなら運んださ!
 でも動かすことさえ危なかったんだ!
 それにどうやって、そんな重病人を運べと?
 ここに住んでる住民は皆、農業で生計をたててるような者ばっかりだ
 病人を運ぶのに適してるエアカーなんか持っちゃいない」


それでもアルフィンは助かったのか・・・・


運が良かったとしか言えないんだな・・・


「それで・・・」


俺は続きを促した


「今夜が峠ってのを何回か繰り返した、ある日
 嘘のように前日までの熱が下がってたんだ
 それからは・・じわじわとだが
 ゆっくりと回復していった
 でも・・・・あれは何日だったかな?
 やっと、ゆっくりと話ができるくらいまで落ち着いた時
 には・・・・すっかり記憶をなくしてる事が判明しただけだった」


「記憶をすべて・・・」


「医者の爺さんの言うことには、高熱が続いたせいだろうって
 事だったんだが・・・もともと病気だったんだな」


「いや・・・・アルフィンの記憶がないのは
 病気のせいだけじゃない・・・事故のせいなんだ」


「事故?」


「彼女は・・・・アルフィンは・・・
 高次脳機能障害なんだ」


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思えば遠くにきたもんだ(笑) 遠い過去から現在までの作品保管庫です。

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いつまで続くか分からないけど・・・・頑張ります





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